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2015/03/03 Tue. 22:28:52 edit
翼とカオルの初対面はカオルに軍配が上がりました。
我雷法師と一緒の鋼牙さんも書きたいところですが、もうちょっとカオルちゃんです。
目の前にいる小柄な女性を見下ろしながら、強い圧力を感じる。
―初対面でしょ! 挨拶できないってどうなのよ!
と、強いプレッシャーをかけてくる。
そう。「死人」だと言った時の邪美からも同じような圧力を受けたが、おそらく今回の圧力の方がずっと強い。
「おい、翼と向き合ってるあの小柄な娘は誰だ?」
「市井の娘だぞ」
「さっき日向に聞いたんだが、ガロの連れてきた娘らしい」
「「「ああ~~。なるほど」」」
自分たちを囲む法師たちが口々に語りあっている気配を感じている邪美。
話の内容まではっきりと聞こえているのは騎士の翼。
注目を浴びているのは感じていてもそれが自分だとは思わず、ただニコニコとしているカオル。
三者三様の反応に、彼らを取り巻いている法師たちはさらに目を丸くしている。
騒がしくなった戸外から、自身の庵の中へと二人を招き入れた邪美は、台所でお茶の用意をしている。
翼とカオルは座敷に残されていた。
気まずい沈黙が流れていた。
「フフフ…」
突然カオルが笑い出した。
「何がおかしい?」
「あ、ごめんなさい。鋼牙や零くんと初めて会った時のこと思い出しちゃって」
カオルは二人とあった時からこれまでのことをポツポツと語り始めた。
鋼牙も零も、カオルとの出会いは最悪で、翼との出会いなど比ではないと。
「だって、二人ともあたしに魔戒剣を向けてきたんだよ? 普通びっくりするよねぇ」
聞いている翼としては、そんな過去を何故コロコロと笑って語れるのか、そして、魔戒剣を突き付けられておいて「びっくりするよねぇ」で済ませているカオルの精神状態を問いたいほどなのだ。
ハトが豆鉄砲を喰らった時のような表情の翼に、今度はカオルが首を傾げる。
「どうかしたんですか?」
「いや……噂を聞いて、想像していたのとはかなり違っていたものだから……」
普段口数の少ない翼が、ポツリポツリと語るのは――。
「牙狼は血に染まりし者を囲っている」
「血に染まりし者は女で、メシアのゲートだった」
「牙狼を誑し込めるのだから、妖艶な美女なのだろう」
以上が翼の耳に届いた噂話。そして―。
翼自身は「儚い女性」をイメージしていた。
今、実物を見た翼の感想は―。
「逞しそう」で「気が強そう」だ。
それを聞いたカオルが、口をとがらせている。
「別に誑し込んだわけじゃないもん。妖艶でもないし、美女でもないもん。」
言葉の後半が恨めしそうな口調になっていると感じて、流石に焦ってしまう。
「カオルは美人だよ」
邪美が三人分の湯呑が乗った茶盆を飯台に置いた。
出されたお茶に翼とカオルが手を伸ばした時―。
「邪美法師~~」
甲高い声で飛び込んできた魔戒法師がいた。
驚いて振り向いたカオルの目に飛び込んできたのは―。
フワフワとした癖の強い黒髪を肩まで伸ばした長身の女性だった。
豊かなバスト、くびれたウエスト、引き締まったヒップライン。
(魔戒の人たちって、どうしてこんなにスタイルいいのかしら? あたしもジムに行った方がいいのかなぁ)
などと、ついつい見入ってしまった。
突然の乱入は、女性のスタイルのおかげ(せい?)で、カオルの頭には届かなかった。
「ついさっき、我雷法師の庵で冴島様にあって来たんです。
うわさで聞くよりもずっと素敵な方で、もうホントびっくりです。
あの方なら私の夫にふさわしいと思いませんか?」
乱入者が放った最後の一言が、その場の空気を凍りつかせた。
つづく
カオルちゃんと芙蓉さんがご対面です。
とんでもない爆弾を落としたところで切ってしまったのは……
この後の展開が出てこないせいでして……(~_~;)
次回、カオルちゃんの第2ラウンドが始まります……?
鋼牙さんも書かないと……う~ん、困った(・・;)
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